すごいな、村上春樹さんって。
なにがスゴイって、こんなに気楽に、正直に(たぶん)、文庫本を出せるなんて。
その文庫本が、平成元年の初版から始まって、平成二十六年には二十五刷。
その間に、世の中すっかり変っちゃっているのに、村上さんの本の読者は減らない。
不思議なワンダーランド。ワンダフルな本です。
村上さんによると、
「僕が書き手としてわりに仕事がやりやすかったなという雑誌はよく潰(つぶ)れている」(230頁)そうです。
それなのに、村上さんご自身の「文庫本」は驚くほど長生きしているんですね。なぜだろう?
なぜ売れ続けるのでしょう?
自分は、村上さんの飼っていた「猫の名前」を確認したくて、この本を買いました。
「猫の死について」(71頁)のエッセイを読みたかったのです。
「みゅーず」という猫の名前が、いかにも外国風なのでカタカナ表記してたのではないかな?
と疑問に思ったからです。エッセイも、ひらがなの「みゅーず」でした。国産の(?)シャム猫。
村上さんは、「この名前は名作少女漫画『ガラスの城』の登場人物からとった」(72頁)とサラリ。
村上先生って少女漫画読むんですかあ?
ふーん。マンガから、かあ。松本清張の小説からではなかった、のかあ。カアカア。
闇夜のカラスとシャムの黒猫、なんていうサスペンスっぽい取り合わせもいいと思ったんですけれどね。
ついでに、この本の他のエッセイもサラッとさらっておきました。軽いな、軽快な文章。
あまりにもかるくて要警戒。裏がありそう。逆襲が来そう。コワいな。
『村上朝日堂の逆襲』なんてタイトルは、「いかにもな」物語を想像させます。
読み終わっても、どこが「逆襲」なのか、わかりませんでした。
〈オヤジのギャグ集〉でもなさそうだし。
雑文集? エッセイ集?
どうでもいいけど、「自動車について」(66頁)という文章を読んで、驚きました。
村上さんの作品の中にも色々な外国車が、具体的な車種名とともにたくさん登場します。
村上さん自身が車フアンの雑誌(例えば『エンジン』誌2018年)にも写真入りで登場して、
車について、運転について、うんちくを垂れているし、村上さんって「絶対に車好き」
に違いないと勝手に思い込んでいました。
「あまり大きなことは言えない。こういうのはめぐりあわせのようなものであって、ちょっと道がずれていればまったく逆のことを主張しているなんてこともありえないことではないのだ」(68頁)
出た! 「逆走」禁止! これが、村上さんの「逆襲」なんだろう! と勝手に思いました。
村上さんは、この本の単行本が刊行された1986年には、
2019年の現在とは、まったく「逆」のことを思っていたのです。
若いころの村上さんの理想主義、歴史認識みたいなのが感じられて面白かったです。
「世の中にひとつくらい車の一台も走っていない町があってもいいのではないかと僕は思う」(69頁)
今は、月の裏側にも月面探査車が走り回っている時代になっちゃってます。くくく……
本文イラストは、安西水丸「画伯」(81頁)
おっと失礼、安西水丸「巨匠」(268頁)。村上さんの呼び方もいろいろ変わります。
巨匠による、この本の「カバー」は、不思議なイラストです。
旭日旗(?)を背に、軍服(?)風の服を着た村上さんが革の大鞭を振るっています。
なんのムチ? ご指導ご鞭撻のムチ? 時代錯誤の無知?
帽子も、なんか決まってません。合わない。「麦わら帽子」のほうが村上少年らしいかも。
バックで、猫でなくて、ポチ犬がニコニコ笑っているのも意味わかんない。
旭日旗ではないのかな? 白日の下、緑の平原の草地上に輝く「太陽」なのかもしれません。
でもね、真っ暗闇の穴の中にうずくまって、黒猫をしっかり抱いて不安そうなまなざしをしている
村上さんのひげずらを、巨匠には白黒画で描いてほしかったと思います。村上ふあんとしては。
どの本でも、表紙のイラストから、本の内容が想像つくんですが……
でも、この本は、読み終わったあとでも出版意図がわかりませんでした。
なにを言いたいのか? なにを叫んでいるのか? なにに吠えているのか? なにをムズっているのか?
ほんわかしていて、ま、ええやないか、という調子のふわふわした内容です。
その意味では、中身にピッタリの、わけのわからん「カバー・イラスト」になっているかも。
この本は、巻末の対談に参加した「岡みどり」さんのように読めばいいと思いました。
読者は、村上さんの「あいの手」としてこの本を読む。「なるほど」、「ふーむ」、「ふむふむ」
「ははは……。でもなんかこっちもついユルシちゃいますね、水丸さんについては」(277頁)
「はははは……」、「ははははは……」
「ふふふ……」、「ふふふふ……」、「ふふふふ……くくく……」
「しかし煎(せん)じつめれば、リアルに描いてきらわれるよりはキレイに描いて良いコトがあるといいなあという……」(275頁)春樹さん。
今はなき『ハッピーエンド通信』(230頁)に書くために、
「シニカルに唇(くちびる)をゆがめて」仕事をしていたころの村上春樹さんも、ステキでした。
良いコトがあるといいなあ。
(ハッピーエンドが好みの読者より)
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村上朝日堂の逆襲 (新潮文庫) 文庫 – 1989/10/25
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交通ストと床屋と教訓的な話とハワイで食べる冷麦が好き。高いところと猫のいない生活とスーツが苦手。時には「セーラー服を着た鉛筆」について考察するかと思うと、小津安二郎の映画の細部(ディテイル)にこだわったりもする。「自由業の問題点について」に始まって、「長距離ランナーの麦酒」に終わる、御存じ、文・村上春樹とイラスト・安西水丸のコンビが読者に贈る素敵なワンダーランド。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1989/10/25
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101001367
- ISBN-13978-4101001364
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出版社より
象工場のハッピーエンド | 村上朝日堂 | 螢・納屋を焼く・その他の短編 | 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〔上・下〕 | 村上朝日堂の逆襲 | 日出る国の工場 | |
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【新潮文庫】村上春樹 作品 | 都会的なセンチメンタリズムに充ちた 13 の短編と、カラフルなイラストが奏でる素敵なハーモニー。語り下ろし対談も収録した新編集。 | ビールと豆腐と引越しが好きで、蟻ととかげと毛虫が嫌い。素晴らしき春樹ワールドに水丸画伯のクールなイラストを添えたコラム集。 | もう戻っては来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。静閑なリリシズムと奇妙なユーモア感覚が交錯する短編 7 作。 | 老博士が〈私〉の意識の核に組み込んだ、ある思考回路。そこに隠された秘密を巡って同時進行する、幻想世界と冒険活劇の二つの物語。〈谷崎潤一郎賞受賞〉 | 交通ストと床屋と教訓的な話が好きで、高いところと猫のいない生活とスーツが苦手。御存じのコンビが読者に贈る素敵なエッセイ。 | 好奇心で選んだ七つの工場を、御存じ、春樹&水丸コンビが訪ねます。カラーイラストとエッセイでつづる、楽しい〈工場〉訪問記。 |
ランゲルハンス島の午後 | 雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行― | 村上朝日堂 はいほー! | ねじまき鳥クロニクル 第1部~第3部 | 夜のくもざる―村上朝日堂短篇小説― | 村上春樹、河合隼雄に会いにいく | |
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カラフルで夢があふれるイラストと、その隣に気持ちよさそうに寄りそうハートウォーミングなエッセイでつづる 25 編。 | ギリシャ正教の聖地アトスをひたすら歩くギリシャ編。一転、四駆を駆ってトルコ一周の旅へ──。タフでワイルドな冒険旅行! | 本書を一読すれば、誰でも村上ワールドの仲間になれます。安西水丸画伯のイラスト入りで贈る、村上春樹のエッセンス、全 31 編! | ’84 年の世田谷の路地裏から’38 年の満州蒙古国境、駅前のクリーニング店から意識の井戸の底まで、探索の年代記は開始される。〈読売文学賞受賞〉 | 読者が参加する小説「ストッキング」から、全篇関西弁で書かれた「ことわざ」まで、謎とユーモアに満ちた「超短篇」小説 36本。 | アメリカ体験や家族問題、オウム事件と阪神大震災の衝撃などを深く論じながら、ポジティブな新しい生き方を探る長編対談。 |
村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた | 村上朝日堂はいかにして鍛えられたか | 辺境・近境 | 辺境・近境 写真篇 | 神の子どもたちはみな踊る | もし僕らのことばがウィスキーであったなら | |
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マラソンで足腰を鍛え、「猫が喜ぶビデオ」の効果に驚き、車が盗まれ四苦八苦。水丸画伯と陽子夫人の絵と写真満載のアメリカ滞在記。 | 「裸で家事をする主婦は正しいか」「宇宙人に知られたくない言葉とは?」’90 年代の日本を綴って 10 年。「村上朝日堂」最新作! | 自動小銃で脅かされたメキシコ、無人島トホホ潜入記、うどん三昧の讃岐紀行、震災で失われた故郷・神戸……。涙と笑いの 7 つの旅。 | 春樹さんが抱いた虎の子も、無人島で水をかぶったライカの写真も、みんな写ってます!同行した松村映三が撮った旅の写真帖。 | 一九九五年一月、地震はすべてを壊滅させた。そして二月、人々の内なる廃墟が静かに共振する──。深い闇の中に光を放つ六つの物語。 | アイラ島で蒸溜所を訪れる。アイルランドでパブをはしごする。二大聖地で出会ったウィスキーと人と──。芳醇かつ静謐なエッセイ。 |
村上ラヂオ 1~3 | ポートレイト・イン・ジャズ | 海辺のカフカ〔上・下〕 | 東京奇譚集 | 1Q84 BOOK1~3 | 村上春樹 雑文集 | |
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職業としての小説家 | 村上さんのところ | 騎士団長殺し 第1部~第2部 | 本当の翻訳の話をしよう 増補版 | 小澤征爾さんと、音楽について話をする | みみずくは黄昏に飛びたつ | |
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1989/10/25)
- 発売日 : 1989/10/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 4101001367
- ISBN-13 : 978-4101001364
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 155,113位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 98位映画論・映像論
- - 2,783位近現代日本のエッセー・随筆
- - 3,279位新潮文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1942年東京都生まれ。日本大学芸術学部美術学科造型卒業。電通、ニューヨークのデザインスタジオADAC、平凡社でアートディレクターを務めた後、フリーのイラストレーターとなる。エッセイや小説なども著す(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『古典芸能てんこ盛り』(ISBN-10:4473034089)が刊行された当時に掲載されていたものです)
1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。
1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年2月25日に日本でレビュー済み
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2023年8月6日に日本でレビュー済み
エッセイが書かれた1985年頃はバブル経済まっただ中ではあったものの、今のように大量の情報が溢れた「ジャンクの時代」ではなく素朴でシンプルな時代だったんだなぁというのが読後感である。今も昔も変わらない人間性というものが浮き上がっているように感じられる。
しかしながら、安西水丸氏が亡くなってそろそろ10年が経とうとしているが、村上さんはさぞ寂しい日々を送っているのではないかな。そんな想像をしてしまうくらい、楽しい本です。
しかしながら、安西水丸氏が亡くなってそろそろ10年が経とうとしているが、村上さんはさぞ寂しい日々を送っているのではないかな。そんな想像をしてしまうくらい、楽しい本です。
2015年10月5日に日本でレビュー済み
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村上春樹さんと言えば今年のノーベル文学賞の最優先候補じゃないですか!初めて読み始めてからというもの探しては読みあさっています。
2012年12月16日に日本でレビュー済み
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文章に力あるので、忘れたころに何回でも読める。安西さんのイラストも気に入ってます。
2017年12月9日に日本でレビュー済み
村上春樹がここまで大メジャーになる前の1980年代中頃のエッセイー。
週刊朝日に掲載されたものらしい。
中身は軽く、文体も平易。
読みやすい。
されど内容の掘り下げ、視点の鋭さ、考えの独自感がちょっと薄い。
軽い読み物ということだ。
これ読んでいる分には村上春樹って普通にちょっと毛が生えた人のように思う。
週刊朝日に掲載されたものらしい。
中身は軽く、文体も平易。
読みやすい。
されど内容の掘り下げ、視点の鋭さ、考えの独自感がちょっと薄い。
軽い読み物ということだ。
これ読んでいる分には村上春樹って普通にちょっと毛が生えた人のように思う。
2013年5月21日に日本でレビュー済み
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小説は固く難読なものが多いのですが、これはスラスラ読めます。
思わず、笑えるものが多いので、電車の中では要注意です。
特に「ヤクルトスワローズ」ネタなんて、最高!
思わず、笑えるものが多いので、電車の中では要注意です。
特に「ヤクルトスワローズ」ネタなんて、最高!
2020年5月25日に日本でレビュー済み
週刊朝日に連載されていたエッセイ第2弾。エッセイ1編1編が前作よりも長い。村上・安西両氏の趣味嗜好全開。
関西弁について。関西に住んでいたら作風がかなり変わったと言う著者。関西で書いた作品も読んでみたい。
1980年代はアメリカ文学・映画を中心としたアメリカン・カルチャーへの関心が強かった事を実感。
グット・ハウスキーピング「ぼく個人の経験から言うと、世の中の男性は一生のうちでせめて半年か一年くらいは「主夫」をやってみるべきではないかという気がする」
村上氏は時代を先取りしていた。このフレーズを理解した読者は当時どれだけいただろうか。
作品に登場する文学、映画をしっかり鑑賞して村上氏と語り合えるようにできれば、立派なハルキスト。
関西弁について。関西に住んでいたら作風がかなり変わったと言う著者。関西で書いた作品も読んでみたい。
1980年代はアメリカ文学・映画を中心としたアメリカン・カルチャーへの関心が強かった事を実感。
グット・ハウスキーピング「ぼく個人の経験から言うと、世の中の男性は一生のうちでせめて半年か一年くらいは「主夫」をやってみるべきではないかという気がする」
村上氏は時代を先取りしていた。このフレーズを理解した読者は当時どれだけいただろうか。
作品に登場する文学、映画をしっかり鑑賞して村上氏と語り合えるようにできれば、立派なハルキスト。